
はじめに
「trip」と「travel」はどちらも「旅行」に関係しますが、使い方や意味が少し違います。2つの英単語の違いを理解して、しっかり使いこなせるようになりましょう!
tripは主に名詞で使う!?ー初級編ー
意味:
「短い旅行・旅・出張」など、「行って戻ってくる」ことを指します。
ポイント:
- 名詞として使う。
- 「行って→滞在して→帰ってくる」という 1回の旅行 のこと。
- よく「a trip」「go on a trip(旅行に行く)」の形で使われます。
例文:
- I went on a trip to Kyoto.
(京都に旅行に行きました。) - How was your trip?
(旅行はどうだった?)
travelは名詞でも動詞でも使う!?ー初級編ー
意味:
「旅行すること(全体的な行為)」「移動すること」です。
ポイント:
- **動詞(旅行する)**としてよく使います。
- 「あちこち行く」「旅をする」という 広い意味。
- 名詞でも使えますが、不可算名詞(a travelとは言いません)。
例文:
- I love to travel.
(私は旅行するのが大好きです。) - She travels a lot for work.
(彼女は仕事でよく旅行します。)
trip と travel の違いを表にすると・・・
比較 | trip | travel |
---|---|---|
品詞 | 名詞 | 動詞/名詞(不可算) |
意味 | 1回の旅行 | 旅行すること(広い意味) |
使い方 | go on a trip | like to travel, travel by train |
例 | a school trip(遠足) | I want to travel the world. |
セットで覚える表現
- go on a trip(旅行に行く)
- take a trip(旅行をする)
- travel around the world(世界を旅する)
- travel by car/train(車・電車で旅行する)
1. 意味と語彙カテゴリの違い
項目 | trip | travel |
---|---|---|
品詞 | 名詞(可算) | 動詞/名詞(不可算)/形容詞(限定用法) |
コアイメージ | 特定の旅行(目的地・期間が明確) | 一般的な移動行為・旅行という活動全体 |
可算/不可算 | 可算(a trip, three trips) | 名詞は基本的に不可算(✕a travel) |
2. 詳しい定義と用法ーtripとtravelの上級編ー
◆ trip(名詞:可算)
- 通常は 短期間 または 特定の目的 を持つ旅を指します。
- “go on a trip”, “take a trip”, “plan a trip” などのコロケーションで使われます。
✔ 例文:
- She took a business trip to Singapore last week.
(彼女は先週、シンガポールへ出張に行った。) - Our trip to Iceland was unforgettable.
(アイスランドへの旅行は忘れられないものだった。)
✔ よくある種類:
- day trip(日帰り旅行)
- field trip(校外学習)
- business trip(出張)
- school trip(修学旅行)
◆ travel(動詞/名詞/形容詞)
a) 動詞:to go from one place to another
- 移動・旅をするという行為全体を表す。
- より抽象的・包括的な意味。
✔ 例文(動詞):
- I love to travel and explore new cultures.
(私は旅をして新しい文化を探検するのが好きだ。) - He traveled across Asia for six months.
(彼は半年かけてアジアを旅した。)
b) 名詞(不可算):the activity of traveling
- 「旅行という活動・移動行為」全体を表す。
- ✕ a travel(不可)
- ✔ extensive travel(多くの旅行)、foreign travel(海外旅行)
✔ 例文(名詞):
- Air travel has become more affordable in recent years.
(近年、航空旅行はより手ごろになった。) - Her job involves a lot of international travel.
(彼女の仕事には国際的な出張が多い。)
c) 形容詞:travel agency, travel guide
- 名詞を修飾する形で使われる。
3. コロケーションと自然な使い分け
コロケーションとは:
ある単語とよく一緒に使われる単語の組み合わせ
(=自然でよく使われる語のペアやグループ)
つまり、「英語ネイティブが自然に使う単語の組み合わせ」のことです。
文法的には正しくても、ネイティブが「そうは言わない」表現になることを防ぎます。
たとえば、日本語で「強い」を使うとき:
- 「強い風」は自然ですね。
- でも「強い雨」とはあまり言いません。→「激しい雨」が自然です。

では”trip”と”travel”のコロケーションを見ていきましょう!
動詞+trip | 動詞+travel |
---|---|
take a trip | travel abroad |
go on a trip | travel around the world |
plan a trip | enjoy travel |
形容詞+trip | travelの形容詞用法 |
---|---|
long trip / short trip | travel expenses(旅費) |
business trip | travel time(移動時間) |
4. ニュアンスと使用例比較
✦ I took a trip to New York.
→ 一度の具体的な旅、日程・目的がはっきり。
✦ I love to travel.
→ 旅行という行為自体が好き。どこに行くかより「旅すること」への関心。
5. 類義語との使い分け補足(上級)

ちなみに「旅」を表す英単語がまだまだありますね!”trip”や”travel”の他にも”journey”, “voyage”,”tour”,”expedition”などがあります。合わせて覚えておきましょう!
語 | ニュアンス | 使用場面 |
---|---|---|
trip | ある目的のための短い旅 | 出張、観光など |
travel | 広義の移動行為・旅 | 趣味、仕事、人生経験 |
journey | 移動に焦点、感情や過程を強調 | 長距離移動、小説・詩的表現など |
voyage | 船や宇宙での長い旅 | 船旅、宇宙旅行などで使用 |
tour | 複数の場所をめぐる旅 | ガイドツアーやアーティストのツアーなど |
expedition | 探検・調査のための旅 | 登山・科学調査などで使用 |
結論:どちらを使うかの判断ポイント
判断基準 | trip | travel |
---|---|---|
具体的な1回の旅行について話すとき | ◉ | ✕ |
抽象的に旅行が好き・頻繁に旅をする話をするとき | ✕ | ◉ |
「旅行に行く」と言いたいとき | ◉ go on a trip | ✕ go on a travel(不可) |
「旅行するのが好き」と言いたいとき | ✕ I like trip(不可) | ◉ I like to trave |

ここからは、“trip” と “travel” の違いをさらに深く理解するために、以下の2つの視点から解説します!
Part 1: 専門的・高度な使用例(文学・ニュース・アカデミック)
◆ “trip” の専門的使用例
ジャンル:報道・会議・外交・観光業界
✔ 例文 1(ビジネス):
The CEO’s trip to Davos was intended to strengthen ties with European partners.
→ Davos(ダボス)への出張。具体的な「目的+帰還」を伴う点が “trip” の特徴。
✔ 例文 2(観光):
The package includes a five-day trip to the Greek islands, complete with guided tours.
→ 観光商品としての「5日間の旅」。trip は旅行商品として頻出。
◆ “travel” の専門的使用例
ジャンル:学術、社会問題、経済、グローバリズム
✔ 例文 1(アカデミック):
Global travel patterns have shifted dramatically since the onset of the pandemic.
→ パンデミック以降の「世界的な移動傾向」。統計や傾向を表す抽象的な意味。
✔ 例文 2(国際報道):
Travel restrictions have significantly impacted international business and tourism.
→ 制限による経済への影響。「travel」はシステムや概念として使われる。
Part 2: ネイティブ表現での自然な使い分け比較
以下のような状況で、ネイティブは意識せずに自然に使い分けています。
【状況1】「旅の感想を聞く」
✖️不自然:
How was your travel?
◉自然:
How was your trip?
→「今回の旅行」はtrip。travelは可算名詞にならないので使えない。
【状況2】「旅行が趣味です」
✖️不自然:
I love taking trips.
→ 意味は伝わるが、「旅行そのものが好き」という抽象性が弱くなる。
◉自然:
I love to travel. / I enjoy traveling.
→ travel は「旅行という行為」全体をさす、趣味の表現に最適。
【状況3】「海外出張が多い仕事」
✖️不自然:
My job involves many trips abroad.
→意味的にはOKだが、”many trips” より一般的・抽象的な表現の方が洗練される。
◉自然:
My job involves a lot of international travel.
→ 不特定多数の出張が頻繁にあるとき、travel の方が包括的。
【状況4】「新婚旅行でヨーロッパへ」
◉自然:
We took a trip to Europe for our honeymoon.
→ ハネムーンという特定の旅行なので “trip” を使用。
ネイティブの感覚まとめ(対比)
日本語の意図 | ネイティブ表現 | 理由・備考 |
---|---|---|
この前の旅行は楽しかった? | How was your trip? | 特定の旅行体験への言及 |
旅行が好きです | I love to travel. | 抽象的な旅という活動 |
出張が多い仕事です | My job involves a lot of travel. | 頻繁で累積的な移動の話 |
週末に温泉に行った | We went on a short trip to a hot spring. | 小旅行にぴったりの語 |
世界中を旅して回りたい | I want to travel the world. | “the world” を目的とする広い移動 |
一生に一度の旅 | It was the trip of a lifetime. | “trip” は人生に一度の経験にも使える |
まとめ(上級ポイント)
- trip:限定的・具体的・完結する「旅」(出来事・エピソード)
- travel:広義の「旅するという行為」や「移動・交通」に焦点
- ネイティブは 可算名詞か不可算名詞か、具体的か抽象的か を直感的に使い分けている。
最後に

いかがだったでしょうか。今回は”trip”の”travel”の違いについて詳しい解説を読んでいただきました。細かいニュアンスやイメージの違いを理解して、英語力向上を目指しましょう!最後までご一読いただき、ありがとうございました。
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